心理的瑕疵物件C

2017年09月18日

記事一つ一つを短めにしていたせいか、まだ終わりません。(笑)
なので今回から少し長めの記事にする事にしました。


では続きです。

まず床を工事して、更にその後フローリングに変えたわけです。
「う〜ん、でもこの床からなんだよな〜」
とY君。
「ここに霊が見えるんですか?」
とオーナーが聞き返しました。
「いや〜、霊の姿はまったく見えないんですけど、よろしくない念と言うか気と言うか、そういうもんが吹き出してるんですよ、ここから」

良くない空気と言うか念と言うかが床から立ち上っているのですが、霊の姿はまったく見えません。
Y君は、霊が一時的に姿を隠していたとしても霊独特の気配のようなものを感じ取ることが出来る事が多くあります。この良くない空気から感じるのは多くの場合に霊の気配として感じ取れる気配とは若干違う感じがしたそうです。

「床下ってどうなってます?コンクリートの基礎ですかね、それとも土の地面ですかね?」
「確か、土だったと思います」
「リフォーム代とかかなりかかってますよね〜?」
「結構かかりましたね」
「半額くらいは遺族や保証人に請求出来ました?」
Y君が思いついたのは、もう一度ちょっとした工事をしてもらうと言う事でした。
まず、現時点で良くない空気が吹き出している事、霊の姿はまったく見えず、更には霊の場合に感じる気配とも若干違うと言う事しか分かっていません。
こうなれば、この床を剥がす工事をして貰い、床下を確認してみるしかありません。
リフォームに結構な金額がかかったでしょうから、自己資金の負担が多いようだと忍びないと思って聞いたのでした。

オーナーの返事は
「請求はまったく出来なかったんです」
そういうものでした。
唯一の肉親は遠い田舎に住んでいる、ほぼ付き合いの無い従兄弟夫婦のみで保証人を頼む事も出来ず、自殺された方が居住をはじめる際に保証人となった方は勤務先の会社の社長だったのだそうです。
その会社は彼が自殺する1ヶ月ほど前に倒産してしまい、社長の所在も不明である事が分かったそうです。社長の居所を探し出すにもお金と時間がかかる事、会社が倒産しているのであれば工事代金の請求をしても支払いなど実際にはほぼ出来ないだろうという事もあり、仕方なく全額をオーナー自己負担でリフォームしたのだそうです。
実は自殺後の火葬なども唯一の肉親である従兄弟が拒否をしたため自治体での火葬と無縁仏としての埋葬になっています。更に遺された家具などの引き取りも拒否され、オーナーが処分しています。

その話を聞いたY君は躊躇したそうです。
単純に霊の影響と言う感じでは無いので必ず解決できるかは分からない。それなのに更に負担をさせてまで工事をしてもらい、解決できるかどうかを試す必要があるだろうか。
オーナー自身や他の部屋の居住者には影響が出ていない(実は他の部屋では何も起きていないのです)のであれば、人に貸さずに倉庫として使ってもらう方が良いのではないかと思ったそうです。
Y君は正直にその事を伝えました。

するとオーナーはその場で馴染みの内装業者に電話をかけました。
Y君の言う、床を剥がす工事は簡単に出来る上、剥がした床を元に戻す事も可能な為、人件費プラスアルファくらいの金額で可能との事でした。
オーナーは迷うこともなく、ここまでやったのだから更にそれくらいの負担は構わない、見てもらってやはり駄目だと言う事であれば倉庫として使うと言うことにしたいと言いました。

工事の手配を進めて貰い、床下が見える状態になったところで、Y君が再び訪れて見てみると言う事になりました。この際の注意点としては、床下の土はあまり触らず、なるべくそのままの状態を維持してもらうよう伝えました。

数日後にY君に連絡がありました。
Y君も気になっていたのか、仕事が終わって帰宅した後に準備を済ませてから行って見てみると言う事になりました。オーナーには懐中電灯、スコップ、バケツ、古新聞を5部ほど用意しておくように伝えました。

Y君が問題の部屋に到着しました。
剥がした床板からは何も感じませんでしたが、遮る物が無くなったためか床下から立ち上る空気と言うか念は更に強くなっているように感じたそうです。
懐中電灯で床下を見てみると、土の状態は見た目では特に問題があるようには見えませんが、明らかにその土から異様な空気と言うか念が吹き出しています。辺りを見回してみても霊の姿もまったくありません。
とりあえず霊を追い払う時にY君が行なっている方法(これ説明できません)も試してみましたが何も変化は無かったそうです。霊とはまた違うものなのかと思ったそうです。
とにかく、この土というか地面が問題なのだろう、これを浄めれば問題は無くなるのではないかと思ったそうです。

「多分、この地面が問題なのかも知れませんね〜。遺体から出た体液などが染み込んでいるかも知れませんので、表面の土を削り取っちゃいましょ〜」
そう言うと、Y君はオーナーからバケツとスコップを受け取ると躊躇なく床下に降り、表面にある土をバケツに入れていきます。
バケツが一杯になるほど削り取りましたが、床下の土から立ち上がる異様な空気は変わりません。
とにかく床下から一旦上がって、部屋の窓の外にある小さな庭(と言っても1畳も無いですが)に古新聞紙を広げると、その上にバケツの土を乗せて平らに広げます。

それを七回繰り返しました。
庭一面に新聞紙が敷かれて、その上に平らにならした土が乗っています。
ただ、そこまでしても床下から立ち上る異様な空気はあまり変わりなくキリがありません。
「明日は晴れるみたいなので、このまま置いておきましょ。明日は仕事休みなので昼くらいにまた来ます」
翌日の朝日である程度は綺麗に浄まった土を床下に戻せば、いくらかは中和されるかも知れないと思ったようで、その後の事は状態を見て考えようと言う事になったそうです。

帰宅したY君は、霊の姿も気配も感じない事から本当に霊の影響なのではなく、土地が穢れてしまった為に不気味な現象が起きているのかも知れないと思ったそうです。そうなると土地に染み付いた良くないものを浄化してみるのが良いかも知れません。朝日で浄められた土を戻すだけでは浄化しきれないかも知れません。

そこでY君は彼のお婆さんから貰った水晶を使ってみる事にしました。
この水晶は掘り出したままで加工されていません。お婆さんの旦那さん、つまりY君のお爺さんが若い頃に風呂を岩風呂風にするために手に入れた大きな岩を割ってみたら、中に大量に含まれていたのです。
途中で飽きたのか面倒になったのか、結局は岩風呂風にはしなかったそうですが。(笑)
お婆さんは水晶を掘り出して大事に保管していましたが、孫であるY君が霊を見る事が出来るという事を知り、何かあった時の為に全部くれたのだそうです。
私も見せて貰った事があるのですが、かなり大量に持っています。プラスチックケースに粗塩を大量に入れて、その中に水晶を埋めて保管しています。長さ7センチ径3センチくらいの割と大きな結晶もたくさんありました。大きさがバラバラなのも含めると80個以上あるそうです。
その水晶を幾つか持っていって浄める手段として使って見る事にしたのです。

翌日、Y君が訪れてみると、外に出した土には問題がありませんでした。
ですが床下からは相変わらず異様な空気が立ち上っています。とりあえずは土を床下に全て戻した後、異様な空気が立ち上っている所を囲むように持参した水晶を置きました。
すると若干ですが異様な空気が弱まりました。時間はかかるかも知れませんが何度か繰り返せば浄める事が出来るかも知れません。
そして、オーナーには今までと同様に晴れた日の午前中には窓を開ける事、その際に置いた水晶に何か変化があれば連絡する事、床板は暫く開けたままにしておく事を伝えて帰宅しました。

翌日も晴れたのでオーナーは窓を開けに言ったそうですが、その後2日間は雨が降りましたので部屋に行く事も無く、当然窓も開けてはいません。
更にその翌日は晴れたのでオーナーが窓を開けに行きました。そして異変に気付きました。

水晶が白く濁って割れているとY君に連絡が(知人経由で)来ました。
Y君が行ってみると白く濁っていますし、一つは完全に割れています。床下に降りて拾い上げてみると白く濁っているのはヒビが入っていたのでした。再び持参した代わりの水晶を置いておきました。
濁った水晶は部屋の前の庭に埋めたそうです。


続きます。
長いな、これ。^^;

posted by 未熟な修行者 at 23:42 | Comment(9) | TrackBack(0) | 日記

心理的瑕疵物件B

2017年09月14日

お待たせしてしまい申し訳ありませんでした。
続きです。

Y君が話を聞いた時点でこれは厄介そうだと思ったのは、かなりの時間が経過しているにもかかわらず未だにその影響があるという点です。
ひょっとすると自殺した方は関係ないのではないかと思ったそうです。場合によっては自殺者が出た後に居住された人の何らかの念や因縁が残っているのではないかとも思ったそうです。
また、仮に自殺者の霊が原因であったとしても、ここまで長い期間に渡って影響を出すようでは既に霊に残っている感情は純粋な恨み妬みだけになっているであろうから、霊を説得するなどと言う事は絶対に無理だろうと思ったそうです。
状況によっては、その部屋自体に存在する悪い影響を及ぼしているものを少しずつ何らかの力を持って浄めて散らしていくと言う形で時間をかけていくしかないかも知れないと思ったそうです。

とりあえず見てみない事には何の判断も出来ませんので問題の物件に行くことにしました。
とは言っても、彼も普通に車のディーラーとして働いている身ですので、簡単に多くの時間は取れません。
Y君はオーナーに、自分も普通に仕事をしている為すぐには行けないこと、それから晴れた日には出来る限り毎日午前中のなるべく早い時間に問題の部屋に行って部屋の窓を開けて空気を入れ換える事、なお最低でも週に一度は窓を開けに行った際に簡単で構わないので掃除をすること、そしてこれが一番大事な点ですが、2度も泊まってみて何も不気味な事が起きていない事からオーナーは大丈夫だと思うが、もし何か異変を感じた場合にはすぐに部屋から出て、(Y君は連絡先を安易に教えませんので)相談を持ち掛けた知人経由で自分に連絡するように、そう伝えました。

オーナーはその指示に従ったそうです。
実は仕事の繁忙期であった為になかなか時間が取れず、Y君が実際に問題の物件に行く事が出来たのはそれから10日以上経ってからなのですが、その間オーナーはY君から指示されたとおりに晴れた日には部屋の窓を開けに行っていたそうですが、やはり何も不気味な事は起きなかったそうなのです。

と言う事で、やっとY君が問題の物件を見に行きました。
途中でオーナーと待ち合わせをしてから一緒に向かったのですが、道中はまったく何も感じなかったそうで、問題のアパートの目の前まで来ても何も感じません。
築年数がそれなりに経過しているためお洒落とは言い難いですが割と小綺麗なアパートでした。
1階にあると言うその部屋の前まで来ても何も感じません。

Y君が
「では、鍵を開けてもらえます?」
オーナーが鍵を開けます。
「こちらから何か聞くまで一切喋らないで下さいね〜」
オーナーが頷くのを確認してY君がドアを開き、玄関に入った瞬間に空気の違いを感じました。
説明が難しいのですが、その空気は敢えて言うなら圧倒的な念、それも純粋な悪意の念で、まとわりつくような粘度の高い空気感と思ったそうです。
入ってすぐ右に小さなキッチンがあり、その奥にある6畳の部屋から溢れてきているような感じです。

6畳の部屋に入ってみると、その空気は益々強くなっております。
どうやら、入ってすぐの右の壁側近くの床から、その空気が立ち上っていると感じたそうです。

「亡くなった場所はここじゃないですか?」
そうY君が聞くとオーナーは驚きました。
まさに、その場所にひいてあった布団の上で亡くなっていたのだそうです。
「何か感じないですか?嫌な感じがするとか」
とY君が聞いてみましたが、オーナーは
「いえ、特に何も」
と答えます。

これだけの悪意の念が出ているのにも関わらず、何も感じないものなのかと少し不思議にも思ったそうですが、これまで泊まり込んでみた時も何事も無かったようなので、特別そういったものに対する感覚が鈍いと言う事もあり得ます。
それに、今までの居住者の中にも特に何も感じなかった人はいるようなので、ひょっとすると感じるのも影響を受けるのも人によるのかも知れないとは思ったそうです。

「床も変えたんですよね?」
そう聞くと
「畳と捨て張りの板、それと根太に染みがあったので」
とのことでした。
構造が分からないと理解しにくいので簡単に説明すると、大引と言う太めの角材の上に交差するように根太と言う少し細めの角材が渡され、その上に捨て張りという下地の合板が張られて、その上に畳が敷いてあったのです。
要は遺体の腐敗が進んで体液その他諸々が染みてしまったらしく、その染みがあった部分はリフォームに先駆けて工事して変えてもらったのでした。
とりあえず暫くは倉庫として利用するため下地の合板までにしていたそうで、1年半後にリフォームする際に床はフローリングにしたのだそうです。

まだ続きます。


posted by 未熟な修行者 at 23:37 | Comment(8) | TrackBack(0) | 日記

心理的瑕疵物件A

2017年09月05日

続きです。

それから1ヶ月と少し経った頃に、内見に来たのは20代後半の女性だったそうです。
もちろん瑕疵物件である事を伝えました。
「私ちょっとだけ霊感あるんですけど別に何もいませんよ」
とまったく気にしないようでした。
そこで先住者の方の話もして、念の為にオーナー自身も一晩泊りこんで様子を見たが何も起きなかったのだと言う事を伝えました。
「多分、うまい言い訳に利用されたんじゃないですか」
そう言って入居しました。
ところが、彼女は3日もしない内に部屋には寄り付かなくなり
「この部屋には住めない」
と言って、2週間ほどで転居したそうです。
しかも転居の旨を電話で伝えただけで、荷物もすべて引越し業者に任せっきりで、一度も姿を見せる事も無かったそうです。


こうなるとオーナーも不安になってきます。
今度は知り合いのお寺さんからお坊さんに来てもらい、お祓いをして貰ったそうです。この際に一通りの経緯も説明した上で、そういった場合に行なうお祓いをして貰ったそうです。

そしてオーナー自身が再び泊まり込んで様子を見て見る事にしました。
ただ、自分はそういうものを全く感じ取れない人間なのかと思ったので、友人に頼み込んで一緒に一晩泊まってみましたが、やはり何も起きなかったそうです。
ひょっとしたら、お坊さんのお祓いの効果があったのかも知れないと思ったそうです。


少し噂になったのか、その物件だけ内見する(だいたい友人と一緒に来る)人が何人かいたそうです。
次の入居者はそれから3か月後くらいに決まりました。
何人か居住者がいたのですから既に告知する必要も無いと思うのですが、オーナーの意向で告知はしたそうです。
20代後半の男性でした。
部屋に悪臭が漂うと言う事、夜中に誰かが近くで喋っている声がすると言う事を訴えて、4ヶ月と少し住んだだけで出て行ったそうです。


やはり人に貸すのは諦めて倉庫として使うしかないかとオーナーが諦めかけた時に、不動産会社からそういった事に詳しくて解決できるかも知れない人がいるので相談してみたらどうかとY君の事を教えられたそうです。不動産会社に勤務していた人のお兄さんがY君の知人なのです。

実はY君は不動産会社や賃貸物件のオーナーさんからの相談にはあまり積極的ではありません。
そういった方々から商売する上でいいように利用されてしまう恐れもあります。
Y君自身は商売で相談を受ける訳ではないですから、問題があるなら貸さなければいいだけだと言い切ってしまう人です。(笑)
しかし、伝手となった知人から概略を聞いた時点で、何故だか相談に乗ってあげた方が良いと思ったそうで、今回に限って相談に乗ると答えたそうです。

いつも相談に乗る際には必ず言っている事ですが、今回は一般の個人的な相談ではないので念入りに約束して貰いました。
それは、安易に他人や不動産会社内で自分の事を話さないように、もし話した場合は次に何かあっても絶対に相談には乗らない、と特に念押ししたそうです。
実際には、こういった約束が守られるよう色々な条件を突きつけています。明かせませんが、半分脅しみたいな事もY君は平気で言います。
と言っても完全に話が洩れないなんて事はありませんが。^^;


Y君は最初から少々厄介そうだと思ったそうです。
何故なら、自殺があってから入居者がいない期間も合わせると少なくとも3年は経過している訳です。
たいした霊じゃなければ数か月も経過すれば消えていなくなっているはずで、3年も経てば少々しつこい霊でも消えているはずです。お祓いもしてもらっているのですから。

そして、Y君から私にも連絡があった(しなくていいのに)のですが、たまたまその時は忙しかった為に細かい話を聞く前に断っていました。そもそも私がいても役に立たないでしょうし。(笑)
結果的には後で少し関わる事になってしまいましたけれどね。


まだ続きます。

posted by 未熟な修行者 at 23:58 | Comment(16) | TrackBack(0) | 日記