正しく生きるとはA

2018年02月24日

続きです。

正しく生きるとは具体的に何かを「十善戒」をベースとして書いております。
今回は「十善戒」の「三業」の内、「口」に当たるもので、4つあります。
「口」とは「言葉」と考えて下さい。
よく「口は災いの元」とも言われるように、不用意な発言によって人を不快にさせたり、自身が窮地に陥ったり、場合によっては悪意を持った言葉を発したために人を死なせてしまう事もありますので仏教では割と重要視されています。
その割には仏教関係者を名乗る者が他者に対して平気で誹謗中傷している事もありますが。^^;
なお、口から発する言葉だけでなく、文章にした場合やインターネットでの書き込みなども同じと考えて下さい。


不妄語(ふもうご)
嘘をついてはならないと言う事なのですが、すべての嘘が駄目と言う訳では無いです。
普通に社会で生きている限り全く嘘をつかないでいるというのは難しいです。何でもかんでも正直な事を口に出せばいい訳ではありません。人の為を思って嘘をつく事もありますし、人間関係を円満にする為に嘘を言わねばならない事だってあります。
どんな嘘が駄目なのかをきちんと考える必要があります。

相手を騙して損をさせよう、騙して自分が儲けてやろう、こういった嘘は駄目です。論外ですが「振り込め詐欺」などはそのものですね。

他にも相手を本当に困らせてやろうと思って嘘をつくのも駄目ですね。
自分が気に食わない奴だからと、近所中にその人の評判を下げるような嘘の情報を流すような人もいますが、こういったものも当然ながら駄目ですね。

では、友達同士の間で冗談半分で嘘をついて騙すのは問題無いでしょうか。
これは判断が難しいところです。騙されたと知った友人が「なんだ、嘘か」と笑って何も気にしないでくれるのであれば、これは問題ありません。
ただ、本当に何も気にしていないのかは騙された側にしか分かりません。あまり怒りを露わにするのも大人げないと思って表向き笑って気にしていないフリをしているだけで、実は心の中では怒っているかも知れません。その場合は駄目な嘘なのです。

つまりは相手が損害を被る事が分かってて嘘をついたり、相手が傷つく事が分かっている嘘をついたり、怒りの気持ちを起こしてしまう嘘をついたり、不快に思うような嘘はつくのは全て駄目なわけです。
その判断が出来ないようであれば最初から嘘は言わない方がいいのです。


不綺語(ふきご)
心にも無いのに必要以上に飾り立てた綺麗事を口にしない、また不確かな噂話を口にしない、と言うような意味です。
「不妄語」のところで、「人間関係を円満にする為に嘘を言わねばならないことだってある」と書きました。
その為に心にも無い事を口にする事もあるでしょうが、大事なのは相手が不快に思わない程度にしておくと言う事です。
綺麗事というのは最初の内こそ心地良く聞こえても、必要以上に飾り立てられると不信感を持ち、その内に「心にも無い事を言っている」と不快に感じてくる事もあります。
軽い御世辞程度は必要な場合もありますが、そのように不快な気持ちを持たせる程に美辞麗句を並べるなと言う事になります。

不確かな噂話を口にしないと言うのは、根拠も無い事を言ってしまい人を傷つけるような事があってはならないと言う事です。
昔からあるのは「ねえねえ、知ってる?○○さんって□□らしいよ」レベルの根拠も無い噂話を近所の人達が人から人へ伝えると言うような事ですが、最近多いのはネット上での噂話です。
何かの事件があると勝手な推測をして、まったく無関係な人を犯人扱いしたりする事も多くあります。そして怖いのは多くの人へ伝えるのが「拡散」という形で非常に簡単であるという所で、まったく根拠の無い誤った情報であっても簡単に拡散されてしまう事も多くあります。
勿論ネット上での情報により解決が早まったりする事件が全く無いわけではありませんが、根拠も無い勝手な噂話のレベルの物が圧倒的に多いことは確かです。
無実なのに犯人扱いされたり、根拠の無い悪評を流される立場の人はたまったものではありません。
拡散する場合は、根拠の無い不確かな噂話であった場合に傷つく人や迷惑を被る人がいるかも知れないと言う事をよく考えるべきです。

詳細を書く事は控えますが、ネット上に根拠も無い推測レベルの情報を拡散されたため、それを見た方から現実の生活でも心無い仕打ちをされるようになり、追い詰められて自死を選んでしまった方がおります。
最初に勝手な推測をネットに書き込んだ人が悪いのは確かです。ですが誰も相手にせずに拡散される事が無ければ自死に到る事は無かったのではないかと思います。
拡散した方々は純粋な正義感からの行動かも知れませんが、まったく無実の人間を傷つけた上に死を選ばせてしまった要因になったのです。
言論の自由と言うもの自体は尊重致しますが、私はこれが悪業ではないとはとても言えません。

無責任な噂話はそういった可能性もあるのだと言う事をよく考えるべきだと思います。


不悪口(ふあっく)
文字通り悪口を言わないと言う事ですが、乱暴な言葉を慎むという意味もあります。
極々当たり前の事ですので詳しく書く必要もありませんが、一つだけ誤解しやすい点があります。

それは悪人や犯罪者に対してであろうと悪口や乱暴な言葉を慎むべきと言う事です。
そういった人に対してであれば構わないだろうと考える方が多いと思いますが、「十善戒」は自分自身の人格向上の為のものですから、たとえ相手が誰であろうと言わないと言う事が大事なのです。
そんな人の為に、自身の人格を下げるような言葉を吐くのは勿体無いと考えるのが良いですね。

最近は人格者であるべきはずの政治家でも悪口雑言をあっさりネットに書いていたりしますが。(笑)


不両舌(ふりょうぜつ)
二枚舌を使うなと言う事です。
Aさんには「Aさんの言うとおりですね、Bさんは良くないです」と言い、Bさんには「Bさんの言ってる事が正しいですよね、Aさんは間違ってます」のように二枚舌を使うのは良くないという事ですね。
どちらも不快に思わないように両方に味方しているだけですが、AさんとBさんはそれぞれ自分の方が正しいと言われ、それを信じてしまいます。
その結果として、AさんとBさんのそれぞれが自分が正しいと主張して仲違いしてしまう事もあるでしょうし、更にはAさんとBさんの周りの人達まで巻き込んでしまう事もあるでしょう。相手を不快に思うからです。
場合によっては、二枚舌を使ってどちらにも良い顔をする人の事を不快に思うかも知れません。
二枚舌は無責任なのです。不快にさせてしまうかも知れないという考えが無いからこその二枚舌なのですが、よく考えて気をつけねばなりません。


「口」に当たる「戒」について書きました。
言葉は気をつけて使うものです。「考え出したら何も喋れないね」と言った友人がいますけれどね。(笑)

次回は「十善戒」の内、「三業」の「意」に当たる「戒」についてを書きます。

posted by 未熟な修行者 at 23:57 | Comment(11) | 日記
この記事へのコメント

こんにちは。
言葉に気をつけている方は人として素晴らしい方が多いですから、言葉が大事というのは納得できますね。
言いたい事は何でも言っていいような風潮の昨今ですが、それが人の心や社会を荒ませている気がします。

私も昔は人の気持ちも考えない発言をしてしまっておりましたので反省しておりますし、今は気をつけて考えてから言葉にするようになりました。
Posted by うめ at 2018年02月25日 11:33

やっぱり道徳なのね〜。

どれも深く考えずに簡単にやっちゃうことよね。
たしかに考え出したら何も喋れなくなっちゃうかも〜。
Posted by 櫻子 at 2018年02月25日 13:58

こんばんは〜(^^)/

友達のためを思って、嘘をついたのに本当の事を教えてくれた方が良かったって言われちゃう事もありますよね(>_<)

不綺語と不両舌どっちも不妄語に含まれるような気もしますね。それだけ嘘つくのはだめって事なんですね。
Posted by りん at 2018年02月25日 20:03

はじめまして

私は真言宗智山派の一般信者です。
色々調べておりましたところ、こちらのブログを見つけました。
独特な説明がされていて大変楽しく読ませて頂いております。

霊の話も大変興味深く思っております。

また拝見させて頂きます。
Posted by 不如意 at 2018年02月26日 17:03

前の記事の御返事だけど(^^;、気付かなかった場合は寄付とか御賽銭とかでいいのね。

ネットの拡散こわいよね。
身に覚えがないのに拡散されちゃったら止めようがないもんね。
その場合、拡散した人もだめってことよね?
Posted by かづさ at 2018年02月27日 18:54

うめさん>
こんばんは。
しっかり自分の意見を言う事の出来る有難い時代なのですが、それは言いたい放題言っていいという事とは違う事を理解していない人も多いですね。
私も酷かったのであまり偉そうな事は言えないです。(笑)


櫻子さん>
こんばんは。
道徳そのものですね。ですが、そういうものこそ守るのが難しいのではないかと思います。
他人の目や耳がなければ、これくらいならいいだろう、になりがちですね。


りんさん>
こんばんは。
そういうことも確かにありますね。
なので、嘘は避けるべきなのですが、邪な考えではなく人の為を思って人の為になる嘘であれば問題ありません。
仰る通り、「三業」の「口」に当たる「戒」は共通している部分が多いです。


不如意さん>
こんばんは、はじめまして。
好き勝手な事ばかり書いているブログで、お恥ずかしいです。(笑)
ところで、御名前が「不如意」とはなかなか深いですね。私も似たようなものです。^^;
宜しければまたいらして下さい。


かづささん>
こんばんは。
ええ、寄付や御賽銭などのように人の為に使うと言うのが宜しいかと思います。御賽銭にする場合は自分の為の御願いはせずに、そのお金が他の誰かの為になるよう願うといいです。
はい、誰かが傷つくような誤った情報であった場合は拡散した人も駄目です。

Posted by 未熟な修行者 at 2018年02月27日 22:52

二枚舌はしてないけど、残り3つは全滅です。

酷い嘘はついていないですが嘘も方便で使いますし、噂話も上司の悪口も職場でいつもしてますw
同僚とのコミュニケーションの一つなのでまったく無しにはならないです(^^;
Posted by あーや at 2018年02月28日 18:25

拡散に加担しているつもりはないが、坊さんの不祥事なんかはここにコメを書いたから、これも拡散と言えば拡散だし、悪口かwww


その前に記事にしてるけど、そういうのはいいんか?
俺、個人的には正しい事をしなきゃならん坊さんなんかは、不祥事の疑いがあった時点でアウト、記事にされるような状況自体がアウトだと思っているけどなw
Posted by f at 2018年02月28日 23:06

あーやさん>
こんばんは。
ある程度は仕方ないですね。(笑)
仰る通り、コミュニケーションの一つでもあることでしょうから。
出来ればしない、あまり酷いのは避けるということで良いと思います。


fさん>
こんばんは。
御坊様の不祥事などの記事は、厳密に従えば良くはないです。未熟者ですから大目に見て下さい。(笑)
言い訳をさせて頂ければ仰る通りに、御坊様を始めとして宗教家である以上はニュースなどで不祥事の疑いが報道されること時点で問題ありです。


Posted by 未熟な修行者 at 2018年03月02日 00:02

こんばんは。

いえいえ、どこにでもある似たような話より楽しませて頂いております。
是非その方針を貫いて下さい。

名前の意味は分かって頂けたようで安心致しました。
人生は意のままにならないなと思いまして、この名前にしました。
Posted by 不如意 at 2018年03月02日 20:17

不如意さん>
こんばんは。
修行の事などを細かく書けないので、訳の分からない記事になってしまっているだけなのですが、楽しんで頂ければ幸いです。
私もそういった深い意味のある名前にすれば良かったです。^^;

Posted by 未熟な修行者 at 2018年03月04日 23:34

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